母と二人で山形の旅館に泊まっているようだ。

部屋の窓からは外がよく見える。

向かいに大きなラブホテルがある。

回転するのが売りだ。建物全体が、ゆっくりと回転する。

宣伝文句がここから読めるのだ。

「日向のままでない」

「イつでも日向」

と書いてある。

面白そうなので、こんど市内に住むハカリサンでも誘って来てみようかと思い付くが、二人でラブホテルでは洒落にならないではないかと、すぐ気付く。冗談でもしちゃいけない。

その山形旅行の続きなのか、それとも別の夢なのか分からない。

木造の、古い立派な農家である。

旧家のトイレ

トイレを借りようと思った。

先に入っていたマキちゃんが出てきたが次に私がそちらへ行くとどこに便器があるのか。

寂れた旅館の便所みたいに安っぽいサンダルが沢山並んでいる。だが床が濡れている。気持ち悪いので靴下を脱いでからサンダルを履く。

中を探して扉を見つけ、そこを開けると、物置。さらに別を開けると外だ。

ただそこに水を張った大きな石があって、水道栓も付いてる。そこで用を足すのだろうか。いや、それは違うだろう。高さがあって放尿しづらい。

石の置かれた下を見ると溢れた水で流れるようになっている。きっとここでするんだろうと思う。まず、さっき物置で指に付いてしまったネバネバを落とす。

さ、やろう、とするが、回りにはけっこう観光客がいる。見えてしまうのだ。

しゃがんで、やる。

丁度団体客が着いたところなのか、すぐそこをぞろぞろと人が歩いている。

しゃがんでも、覗かれれば見えてしまう位置だ。

一人のおばさんが近寄ってくる。

気が付かれたか、と思うとそうでなく、車を避ける為のようだ。黄色い派手なスポーツカーが表の道をのろのろと通過する。

旧家のトイレを出て、部屋へ戻る途中、新家を通る。そこで手を洗わせてもらおうと思い、家人に声をかける。小さい子供のいる家のようだ。何気なく置かれた日用品に子供の使いそうな物が混じっている。

若い奥さんが歯を磨いていて、その奥さんが身振りで洗面所を教えてくれる。

洗面所に入ると、きれいな風呂がある。

池のように掘られ、周りに草が植えられている。

その脇に木の樽が置かれている。湯を汲む手桶を大きくしたような樽だ。

それが便器だろうと思ってしまうが（さっき用を足さなかったのか.....）勘違いのようだ。

これは温泉、天然温泉なのだ。

ああ、ここもトイレじゃない。

手だけ洗うと、さっき靴下を脱いでいたのを忘れてきた、と思い出す。

2008 9/29