2004年1月20日
2004年1月20日
文字を書く夢
万年筆の書き具合を調べていた。堅いペン先だ。ペリカンの近代的なデザイン。四角く囲った中に「作品」と書き、並べて右にも四角を書き「○○」と書く。
ペンが堅くて紙を突き抜ける事もある。
カナエサンの白いペリカンだった。
自分の万年筆を修理に出す。壊れた箇所を説明するが、ボールペンが装着されている。そっちじゃなく、こっちと、インクの固まったペン先を見せる。胴の部分が薄い赤だ。渋い色だが女性的かもしれない。黒い胴だった気もするのだが。
それは白黒の、古いフランス映画の中だ。修道女が色インクを作っている。映画を見ているうちに中に入っていた。一番年をとった老婆、修道女がインク(万年筆)を作っている。
そんなに万年筆に拘るなら、ここに字を書いてみろ、と私にいう。先程私が店員の前で試し書きした紙に書くが、余白がなくなってくる。五線紙まで使うが、どうも旨く書けない。
「あ、い、う」とひらがなを書くのだが、老婆の視線が気になるのだろうか。ペンが悪い、と私が言うと、老婆は鉛筆のようなものを渡すが、それがまた芯が堅く、木製の机の表面が影響してじごじごになってしまう。
「みていろ」と老婆は数人の若い修道女たちを助手にしてインクを作り始める。木製の大きなアイロン台のようなものにヒモが付いている。その先に袋が結ばれ遠心力で動きが勝手に大きくなる。「離れて!」と老婆が叫ぶ。振幅運動が最大になったところでその袋が爆発し、粉が散る。辺は煙に包まれる。
どうやらその細かい塵がインクの材料のようだ。
さらに修道女はキリストの像を粘土で真似たものの、その腰を包む布の色の部分をインクの材料にするようだ。薄い黄色の粉だ。
「色とは、デフォルメされた形態から引き出すものだ」という方法をとっているようだった。
2004 1/20