2003年7月12日
2003年7月12日
湖の畔に駐車場がある。
ジムニーで走っていた。
夜なのか、それとも鬱蒼と茂る松林の所為なのか、暗く、アスファルトは湿っている。
大型バスが出て行って、何台か駐車場スペースができたようだ。それで左折した。
ところが選んだそこは大型車専用なのだ。一旦駐車線の中に停めるが、結局出る。
湖畔の道を左回りに走る。
湖の回りはどこも似たような風景だから、あまり離れると解らなくなる。何気ない道の分かれ目で左に行かず、右へ行く。
やはり戻った方がいいと思いハンドルを右に切る。と、そこは湖と蔵に挟まれた、乾期は陸なのだろうが、今は水と氷に覆われた曖昧な場所だった。そこをジムニーは旋回し、停った場所は小さな流氷の上だった。
一緒に走行していたのはコルヘだった。そのコルヘは一足先に、私が旋回する場所の目の前で、湖の、雪と氷の、いつ崩れるとも知れない複雑な突起部分にいた。
昼間の明るい日差し。寒いようだが青空。その青空に雪と白いコルヘが映える。
コルヘが先を行ってしまう。その氷の手前をジムニーで渡ったが、私は別の、岸寄りの氷の上にバイクとともに取り残される。湖側へ向かおうとするコルヘを呼ぶ。
バイクは水に沈みそう。明日までここにバイクを置いておけないだろう。氷が融けてしまうから。今私が掴まっている大型トラックのハンドルにバイクを固定できればいいのだけれど。
目の前でバイクが冷たい水の中に沈みそうになる。バイクなんか諦めようか。コルヘが無事なら、そして離れ離れにならないならそれでいいのかもしれないと思う。
コルヘが気付きこっちに来ようとする。こっちに来ないで、元の来た所へ戻ってほしいのだけど、コルヘにはそれは無理だろう。私のいるところに来ようとするのが当然だ。冷たい水の中を泳いでこっちの氷の上に来ようとしている。
そうだ、コルヘが来たら、このバイクを左手でもったまま、自分もあんな風に泳いで戻ればいいんだ、と思う。全身が濡れても何とかなるじゃないか、きっとバイクもすぐには沈まないだろう。
そう思う所で目が覚める。
2003 7/12