恒例、夏のうたた寝

2010年7月27日 23:47:47:JST

夜、うたた寝をする。夢を見て、夢の中でそれは本当のことと思いこみ、嬉しさのあまり目が覚めてがっかりする。

マコトと歩いていた。

そこを曲がらず、敢えて一周する。

そこを曲がって抜けた所の店で□□□□□が働いているのはマコトも知っている。だからはぐらかすつもりで、敢えてぐるっと一周した。

私の知らない男、マコトの連れなのだが、その男も途中から一緒だった。

三人で歩いていて、二周目にはその角で私だけ曲がる。別れの挨拶もしないで、すっと曲がる。マコトとマコトの連れがどう思おうと構わない。どうしても□□□□□と会わなくてはならないのだ。見栄を張っている場合ではないのだ。黙って抜けた後ろめたさはあるが、仕方ないと思った。

両脇に雑草の生えた舗装されていない小道を抜けていく。すると反対側の道に出る。店はそこにある。

二軒の茶屋のうち、多分手前の店だ。□□□□□がバイトしているのは。

茶屋に入る。

店内は賑わっている。

割烹着姿の中年女性の店員ばかりだ。やはり□□□□□とは今日も会えないのかもしれない。とっくに辞めているのかもしれない。ここで働いていると訊いたのは、随分昔のことのような気もするのである。

多分いないだろう。

いつも、こういう時には会えないものなのだ、と諦めかけていた。

店の奥を左へ曲がり、席が少なくなる山腹の上り坂を兼ねた所、そこに濡れ縁がある。その濡れ縁に□□□□□が寝ころんでいる。上向きに寝て、ヨガのポーズでもしているようだ。店員ではなく、客として来ているようだ。そんな格好で横になっているなんて、□□□□□だけだ。他の客と違い、変に目立つ。

私は坂道を上り、近付いていく。

□□□□□はこっちを見ているようだが、気付いていない。私も気付かない振りをする。偶然を装っているのだ。偶々ここを通りがかる、という風に。

距離が縮まり彼女が気付く。私は、まだ気付かない振りをしてみる。近眼でよく見えず、目を細めるようにみる。実際その人が□□□□□なのか、確認する必要があった。できすぎだからだ。たいてい会えないはずなのに、すんなり出会えるなんて、どうもできすぎてる。

しかし□□□□□だった。

側に立つ。

髪は短く、白いブラウスを着ている。一緒に代々木体育館へ行った時と同じ服装だ。

抱き寄せる。

昨日、別れたのだ、と彼女が言う。

そうだろうと思った、と私が言う。そして、私と暮らそう、と続ける。

「今、何処で暮らしている？明日から荻窪に来ないか？」

その時、その□□□□□と二人でいる所の奥に、さっきまで一緒だった別の女性がいるのに気付く。犬連れの女性だ。忘れていたが、その女性にもついさっき、全く同じ事を言ったばかりなのだ。彼女は喜び、私の提案を受け入れてくれたのではなかったか。その彼女が、今の□□□□□とのやりとりを聞いている。

もう誰だったかも思い出せないその女性に嘘をついたことになる。

だが、傷つけたとしても仕方ないと思った。□□□□□と出会えた以上、もう□□□□□を最優先させるのが当然だった。だからその犬連れの女性を無視して、□□□□□に語り続けた。

キミの名を暗号としてつかっている

キミをずっと想い続けてきた

と言う。

「わかっている」と□□□□□は目に涙を浮かべて言う。そして私の胸に顔を埋める。

二人で歩いている。

カナエサンが出て行ったことを詳しく話している。□□□□□に聞いてもらうため、今まで誰にも話さなかったことだ。

ただカナエサンの出て行った日を「今年の3月」と間違えて言ってしまう。「いや去年の10月だった」とすぐ言いなす。10月をなぜ3月と間違えたのか、自分で不思議だった。

「またふっと、いなくなったりするからな」と□□□□□に言う。

たぶん彼女は、またふっと、私の前から消えてしまうのである。

それでも彼女は家に来ると言う。それで、二階の部屋を綺麗に掃除して、そこを使えばいい、と言う。その言葉も、さっきの犬連れの女性に、そっくり同じ事を言ったと思い出す。後ろめたいが仕方ないと思っている。

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9時にごろんと横になったのが、そのまま寝てしまう。

この夢で目が覚めたのは10時30分くらい。

夢の内容、どうしてこんな夢を見たかは、いたく単純。

ま、その話はまた今度。

名物「夏のうたた寝」

そして、そんなうたた寝ではこういう「現実と地続きになった夢」になりやすいようです。

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sent from WILLCOM 03

友人にメールで送っていた。

夢から覚めてすぐ、まだその感情が消え失せぬうちに、携帯電話で書き記したものだ。もちろんメモを取っていて、それに基づいている。

このメール「恒例、夏のうたた寝」の存在をすっかり忘れ、再びメモを元に復元したのが『言い間違い』である。

興味深いのは時間が経過して「言い間違い」自体に重点が移動していることである。この夢を見た直後、それは末梢的であったようなのだ。そしてメモに残していない「直後だけに記憶だけで書けた」部分が続いているというのも、後になり、この残されていた送信メールで「知らされた」のである。

2010 11/18